変態デッキと笑わない駒(将棋デッキ解説)
アローラ!ゴンただ。
先日の竜王戦で挑戦者・広瀬章人八段が羽生善治竜王を降し新たな竜王が誕生し羽生さんは27年振りにタイトルなし“無冠”となりました。平成最初の竜王が平成最後の竜王戦で“無冠”となる。若手棋士の台頭もあり、1つの時代の終焉を感じずにはいられません。
話がそれてしまいました。今更ですが2月17日に開催された「冬のファンデッキコンテスト」(以下「冬ファン」)にて私が使用した「将棋デッキ」の採用理由になります。なぜ将棋デッキを組むに至ったのかは他記事に譲るとして「冬ファン」プレゼン時に使用した資料も添付しておきます。ポケカと将棋の接点を色々挙げました。こちらも参照していただけると幸いです。
https://drive.google.com/open?id=1h_m7yWCNuWSXKD0MUFqJDV5vR-0AVera
そして60枚1枚1枚解説している為相当長くなってしまいましたがお付き合いいただければ幸いです。
2018/2/17@馬場ロコ エクストラレギュ【BW1~SM5+】
「将棋デッキ」
前提として場を将棋盤に見立て、場(盤上)に置けるのは場に残り続けるポケモンとエネルギーで構成した。
エネルギー 9枚
基本炎エネルギー(歩兵)9枚
将棋で最も多い駒。“歩のない将棋は負け将棋”との格言がある。ポケカ的に言い換えれば“エネのないポケカは負けポケカ”とも言えるか。ぶっちゃけエネ要求多いポケモンが多い為、もっといれたかった。
ポケモン 13枚
レシラム(香車)2枚
「将棋デッキ」をつくるきっかけとなった「ロイヤルマスク100枚争奪戦」において見事優勝してロイヤルマスクを手に入れた糸谷哲郎八段が「ひかる伝説」シールド戦においてヘルスの高さからおススメしていたカード。このカードと後述のMリザードンからデッキの色が炎に決まった。この写真、糸谷元竜王と第3期ポケモン竜王が図らずも一緒に写っているんですよね…
ボルケニオンEX(桂馬)2枚
炎デッキということで最初玉将としての採用も考えたが並べれば特性のパンプを狙える為2枚採用できる桂馬として採用。後付として桂馬独特の2方向の動きをデュアルタイプによって表現でき…たかな
ルギアEX(銀将)2枚
ホウオウGX(金将)との組み合わせで採用。正直エアロボールはエナジードライブとなんら変わらない技。元々スタジアム採用がなかったデッキなのでディープハリケーンで相手のスタジアムをトラッシュという動きもあるにはあったがエクストラレギュ開催とのことで急遽トロピカルビーチがデッキに入った為、更に採用理由が薄くなってしまった悲しいカード。本当はひかるルギアの方が良かったけどホウオウGXとの対比、桂馬もEXポケモンなのでサイド1枚のポケモンにしたくなかった。しかし中終盤のバトコンでトラッシュに落とされたのでもう少し考慮すべき駒だったかもしれない。ひかるルギアを1枚しか持ってなかったという理由もある。
ホウオウGX(金将)2枚
当初、歩の9枚だけではエネルギーが少ない為、金ニコタマ(基本エネルギーが成ってニコタマになる設定)を考えたが歩以外ポケモンの方が見栄えが良いと感じたし、何よりポケットモンスター金銀のパッケージポケモンを差し置けなかったのでホウオウに決定。金ニコタマ1枚しか持ってないし。第3回ポケモン竜王戦にて糸谷八段が使用したという嬉しい出来事も。
タイプ:ヌル(角行)、シルヴァディGX(竜馬)
一番最後に決まった駒。成る事は進化によって表現する事を決めたのだが子駒まで進化ラインを設けるとポケモンが多すぎる為大駒のみ成れることにした。採用理由は特性とGX技、グラジオも採用した為。特性持ちの駒はトリッキーな動きをする駒という後付的側面も。
第2回ポケモン竜王戦で優勝商品として授与された特性駒は本来なら竜王と彫られるところにメガリザードンが彫られており初めから竜王として決まっていた駒だったが上手く活躍させてやれなかったのが残念。MリザードンEXはホウオウGXのGX技でベンチに出せる。
アローラの月光発売時からありとあらゆるデッキに入るポケカ界の王。相手に採用されていても相手のテテフを倒して王をとったといえる点もあり玉将として採用。
サポート 15枚(各1枚)
サポート1枚1枚に将棋界の名誉であるタイトルホルダーや背景ストーリーを持たせようと欲張った為ハイランダー構築。ついでにSR統一しました。汎用性が高いサポートほど格が高いよう考えました。よくもまあ…
プラターヌ博士(名人)
竜王と並ぶ格式高いタイトルで歴史は1番長い。ポケカ伝統の7枚ドローの系譜として採用。
N(竜王)
最も序列が高いタイトル。竜王戦を主催する読売新聞とポケモンは割りと仲がよく、1月に行なわれた「ポケモン竜王戦」の共催や先日の企業対抗戦にも出場していたりする。序列が特に高い竜王、名人はプラターヌとNで決まっていたがポケットモンスターブラックホワイトでゼクロムレシラムを従えたNが竜王にふさわしいと判断。
シロナ、マーマネらと比較し、それらよりドロー枚数多く見込めるため。なにより叡王の称号が似合いそうな為。
フラダリ(王位)
「そういうフラダリさんこそ王家に連なる者の子孫 選ばれし者なんだよね」(ポケットモンスターXY プラターヌ)
アセロラ(王座)
「アセロラこうみえて大昔すごかった一族の娘なの」「はーい!古代のプリンセス!アセロラちゃんです!」(ポケットモンスター サンムーン アセロラ)王位王座はゲームの発言で決めました
マーマネ(棋王)シロナと比較し、サポートが多めでトラッシュしたいカードもある為シロナではなくマーマネを採用。冬ファンで知り合った将棋指しの方に渡辺棋王に似てますねとも言われた。そこまで考えてなかった。
カキ(王将)要求エネが多めのポケモンが多いので採用。カキホウオウで金将(ホウオウGX)に歩(炎エネルギー)をつけて「金底の歩」をその場で思いつき披露できたのは良い思いで。
グズマ君との方やアマ、方やトッププロという対比をしたかったためタイトルホルダーに。島巡りを奨励会(プロ棋士養成機関)に見立て、原作の島巡りで挫折したグズマ君はプロにはなれずアマ名人という肩書きに落ち着いた。
グズマ(アマ名人)
汎用性高いカードだが何故タイトル持ちでなかったのかは前述の通り。グズマ君はプロでやるよりもプロになれなかった悲しい人の方が似合ってると思うの。
グラジオ(新人王)
ピン挿のカードが多い為、またアニメサンムーンでグラジオを演じている岡本信彦氏は幼少期に将棋のプロを目指した時期があり、現在もアマ有段者でありポケモンのゲームも対戦まで行なう双方に縁が深い人物として採用。
因みに新人王を選んだのはポケカチーム“もうこたんめん”主催のポケモンカード新人戦にあやかったため。
オカルトマニア(女王)
汎用性は高いが名有の人物でなく一般トレーナーの為、棋士ではなく女流棋士という扱いにした。里見香奈女流四冠に倣おうかとも考えたがシンプルに女流棋戦で序列が1番高いものを採用した。
リーリエ(観る将)
ドローソースが少ないため。ポケモンサンムーンでポケモンバトルをしないという設定から近頃増えている将棋はさせないけど将棋中継等を見て楽しむ「観る将」ということにした。(原作ではポケモンバトル自体が苦手だったけど)
バトルレポーター(観戦記者)
まんまです。夏ファンの競馬デッキインスパイヤ要素。
鍛冶屋(駒職人)エネ要求が重いので。どうみても金物作っていますが。
ポケモンだいすきクラブ(将棋だいすきクラブ)
どんなコンテンツもファン、次世代のファンあってこそとの思いをこめて採用。
不採用
センパイとコウハイ(奨励会員のセンパイとコウハイ)
EXGX主体デッキ、かつ奨励会の説明が煩わしいため。
グッズ 22枚
注目される事が多い将棋めしや将棋ネタを多く入れたかった。(コジツケが酷いのもあるぞ!)
ハイパーボール 4枚 捨てる札に余裕がある為4投
バトルサーチャー 4枚 ハイランダー構築のサポートを使い回す為4投
バトルコンプレッサー 3枚 鍛冶屋のためのエネルギー、状況に応じてポケモン、サポートの整理。サポートがハイランダー構築なので3枚投入。
フィールドブロアー、レスキュータンカ 各1枚 今思えばこいつらを抜いてネタに走ってもよかったかも
注目される事が多い対局中の食事をグッズで表現したかったけどがっつりとした飯がなかったのでおやつにした。
おおきいマラサダ 1枚(こちらのおさんじ)
魅惑のポフレ 1枚(あいてのおさんじ)
おいしい水セット 1枚(対局場に用意された水)あまりにもコジツケ。せめてスポンサー企業の提供なり言えたのでは。
ダートじてんしゃ 2枚 (桐谷さんのチャリ)元々トレーナーズポストの枠だったが「月曜から夜更かし」に出てくる株主優待生活の桐谷広人さんは元プロ棋士。彼の自転車をイメージしました。(彼の自転車はママチャリですが)
はかせのてがみ 1枚 (段位認定状)一定の棋力があればそのときの竜王、名人、連盟会長の直筆の認定状を受ける事ができます。
エネルギー回収 1枚(歩回収)ポケモンいれかえ(駒交換)1枚 別に将棋養護でもなんでもないけど呼び方だけでも変えてみた。
パソコン通信(ACE SPEC)(将棋AI搭載パソコン)1枚
ネタ的にも汎用性にもこれしか考えられなかった。藤井聡太フィーバーで風化しましたが三浦九段は災難でしたね(それ以上いけない)
不採用
シンカソーダ リサーチ不足かもしれないが炭酸好きな棋士が分からなかった為。そもそも進化ポケモンが少ないため。
スタジアム 1枚
トロピカルビーチ(ハワイ)
最初の前提として場に残るカードはエネルギー、ポケモンのみと決めており、ポケモンのどうぐ、スタジアムに関しては不採用のつもりだったが、このデッキをつくるきっかけとなった糸谷八段が竜王になった時の開幕局がハワイであったためハワイとしてトロピカルビーチを採用。実際にハワイで配られた12年版にしたかった。
小道具
こんなところまでネタを仕込む。
服装 棋士はタイトル戦や大一番では和服を着るので和服も一瞬考えたが流石に難易度が高いのでスーツにした。わざわざポケモンのネクタイも買った。
先手後手を振り駒で決める為、歩を5枚持参。対戦相手の皆さん快諾していただけて良かった。
サプライ 将棋デッキの前提である場(盤)におけるのは駒だけということでプレイマットは布製の将棋盤、デッキ、トラッシュを持ち駒に見立てるため簡易な駒台を用意。スリーブは糸谷八段が第3回ポケモン竜王戦で使用したカビゴンスリーブ、GXマーカーに後に日本将棋連盟の一員としてポケカ企業対抗戦にも出た香川愛生女流三段のサインカードを使用。プロ棋士に欠かせない扇子も購入。デッキケース、ポーチもなるべく和にこだわった。
とまあロイヤルマスク糸谷の後、秋当たりから(まだ冬ファン開催の知らせもなかったのに)ネタを暖めていたところに第3回ポケモン竜王戦の開催、羽生先生が竜王を奪取して永世七冠を達成、冬ファン当日には藤井聡太五段(当時)が羽生竜王(当時)と広瀬章人八段(当時)を降して朝日杯を優勝し昇段するなどネタの鮮度としてはこれ異常ないタイミングであったと思っております。
惜しくらむは私自身プレゼンでこれらネタの魅力を上手く伝える事が出来なかった事、前提として将棋をある程度理解してくださらないと単なる知識の羅列、披露になってしまった点が良くなかったですね。
上位の方は事前知識がなくてもわかるネタでありそれらを押しのける力はありませんでした。しかしプレゼンが尻切れであったとはいえ、私があの場において伝えたかったことは将棋とポケモン(ポケカ)って意外と接点があるんやで!ということだったのでデッキの内容のプレゼンより糸谷八段のことやポケモン竜王戦を削る事は出来ませんでした。だからこそプレゼンの練習はもっとするべきでしたが。
今年はポケカも将棋も激動の時代になったといえましょう。またポケカと将棋の係わりも前述のイベントを皮切りに元々ポケモン好きであった山口恵梨子女流はポケカにどっぷりで先日のポケカ企業対抗戦に日本将棋連盟としてエントリーしてくれ、プロ棋士の中でも一際人気のある藤井猛九段がポケカをする姿も見られました。(藤井九段の息子さんが新潟大会でベスト16とのことでしたがシニアなんですかね)
ポケカの生放送は何故かニコニコが多く、元々将棋の生放送を多く扱っていたニコニコには将棋の民が多く、ポケカの放送にも流れてきたりします。コメントで喧嘩するのではなくお互いの界隈に興味を持っていただけたらなと筆者は思う次第です。
長くなってしまいましたが双方の界隈の発展と成長を祈りつつ筆をおきます。お付き合い頂きありがとうございました。